Raspberry Piは元々学生の教育用コンピュータとして誕生した歴史があります。そのためホビーユースには十分であっても、実際のIoTプロダクトへの採用は不向きとされてきました。しかしすでに内部的にはRaspberry Piを使っている製品も存在します。

今回はRaspberry Piをプロダクト化する上で注意したい事柄について解説します。

SDカードについて

とにもかくにも注意したいのがSDカードです。SDカードは書き換え回数が増えるに従って信頼性が失われていきます。全体の領域に対して10万回と言われており、早々10万回に達することはないのですが、業務用途や市販することを考えると注意したい内容です。

そこで採用を検討したいのが業務用SDカードです。SLCまたはMLCと呼ばれる高耐久性を備えたSDカードがあります。また、防水性や温度耐性、静電耐性、X線耐性、衝撃耐性などにも優れています。

また、Raspberry Pi 3 Model B+のようにネットワークブートに対応したモデルを使うことでSDカードなしで運用することもできます。ただし、この場合は十分に高速で安定したネットワークが必要になるでしょう。

電源について

雷や電源に過電流が流れる、電圧が低下するなど電源周りでのトラブルは思いの外多いです。オフィスのように常に安定した電気が常時提供されるとは限りません。家庭などではブレーカーが落ちることもしばしばです。

そうした突然の電源断などはSDカードのデータが消失したり、センサーが壊れたりする可能性に繋がります。UPSサージ対策を設けて安定して動作する、または電源がなくなった時にも問題なく停止できる仕組みを用意すべきでしょう。

メーカー保証

本体はもちろん、各センサーのメーカー保証にも注意しましょう。業務用途の場合、5年保証を提供している場合もありますが、多くのIoT用センサーでは短い保証期間となっています。故障や不具合への対応はもちろん、中長期的に製品を販売する上では生産される保証のある部品を採用すべきでしょう。

温度、湿度

利用する温度や湿度がハードウェアの動作基準に合っているか確認しましょう。Raspberry Pi 3 model Bの場合、0〜70℃までとなっています。特に注意すべきは上限でしょう。コンクリートの上に長時間置いておくと、予想以上に熱くなることがあります。温度が上がりすぎると速度面や安定性に問題が出てきますので注意してください。なお、Revolution Piは動作温度が-40~55℃となっており、冷寒地であっても動作可能となっています。

CPU周りにはヒートシンクを取り付けたり、ファンがあるケースを採用することで温度上昇を抑えられるようになります。ファンの場合は騒音問題になる可能性もあるので注意が必要です。

業務用Raspberry Piの導入

Raspberry Piに準拠しつつ、産業用途で安心して使えるレベルの品質に仕上げた製品があります。

産業用ケースというのも販売されています。

突然の電源断に対応していたり、熱暴走対策などが施されています。工場や屋外など過酷な環境でも安心して利用できます。

まとめ

IoT製品は時に過酷な環境にさらされることがあります。屋外での利用も少なくありません。油が多かったり、湿度が高い環境もあります。そうした利用場所を考えた上で製品化を進めなければならないでしょう。幸い、それらの問題に対応した製品がすでに存在します。プロトタイプはRaspberry Piで素早く開発し、製品化の際には産業用途に合わせた製品を選ぶのも良いでしょう。


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